
「やりたい仕事がわからない」
そんな不安を抱えたまま、就職活動に向き合っている人も多いのではないでしょうか。

私も、まさにそうでした。
就職氷河期と呼ばれる時代。
やりたいこともわからないまま、焦る気持ちだけで闇雲に企業を受け続けて、結果はボロボロ。
誰にも言えないくらい、落ち込んでいました。
当時の私は、「最初の就職がうまくいかなかったら、人生は終わりだ」と本気で思っていたんです。
でも、そこからいろんな働き方を経験して、少しずつ視野が広がっていきました。
最初の仕事がうまくいかなくても大丈夫。
自分らしい働き方は、あとからちゃんと見つけていける。
私はこれまでに5社を経験し、フリーランスとしても働いたのち、現在は会社員として働いています。
でも、今の働き方が“ゴール”だとは思っていません。
会社の方向性と自分の生き方が合わなくなれば、またフリーランスとして働くことも、別の場所を選ぶことも、いつでも選択肢に入れています。



大切にしているのは、誰かに生き方を委ねるのではなく、自分で選び続けていくこと。
「やりたい仕事がわからない」と悩むことも、ちゃんと次につながっていく。
そう実感しているからこそ、この記事では私の体験をまじえながら、
“やりたい仕事が見つからない”と感じている人に向けて、少しでも心が軽くなるようなお話をお届けできたらと思っています。
やりたい仕事って、「自分がどうありたいか」から始まる
「やりたい仕事って何?」と考えるとき、まず意識してみてほしいのは、「自分はどうありたいか」という視点です。
私がそのことに気づいたのは、あるお葬式の場でした。


年齢を重ねるにつれ、葬儀に足を運ぶ機会が少しずつ増えてきました。その中で、対照的なふたつの葬儀に立ち会ったことがあります。
ひとつは、参列者の誰もが声を詰まらせて泣いていて、なかには嗚咽する人もいたほど。
「こんなこともあったよね」と、思い出話も次々とあふれていて、その人が周りの人とどんなふうに関わってきたのかが、自然と伝わってくるようなお葬式でした。
もうひとつは、参列者は身内や親戚だけで、訪れる人も少なく、とても静かな時間が流れていました。
泣いている人はいなく、会話もほとんどないまま、思い出話が出ることもなく…。
「話したくないのかな」そんなことをぼんやり考えてしまうほど、どこかぽっかりとした空気だけが漂っていたんです。
どちらが正しい、という話ではありません。でも私はそのとき、ふと思ったんです。
自分の人生が終わるとき、誰かに泣いてもらえる人生を送りたいな。
そして、こうも思いました。
たとえ今日、人生が終わったとしても、後悔のない生き方をしていたい。
ただ日々をこなすのではなく、自分なりに納得しながら、選びながら、生きていたい。
そんな気持ちが、自然と仕事の選び方や、働き方にもつながっていきました。
「何をするか」よりも、「どう在りたいか」。
仕事のことを考えると、迷ってしまうこともあるけれど、自分の“どう生きたいか”を大切にしていけば、やりたい仕事も、きっと少しずつ見えてくると思います。
好きなこと探しより、「嫌だったこと」に目を向ける


やりたい仕事を見つけようとすると、多くの人が「好きなこと」から探しがちです。でも、あえて“逆の視点”から見てみると、ヒントが見えてくることもあるんです。
私は「この仕事、なんかしんどいな…」と思ったとき、こんなふうに考えるようにしています。
- どんな部分を苦手だと感じているんだろう?
- なぜ自分はこれを嫌だと思うんだろう?
- 何が一番しんどい?
そうやって嫌だったことを掘り下げていくと、自分の中にある「これなら苦じゃない」という感覚が、少しずつ見えてきます。
それって、もしかすると“向いていること”のサインかもしれません。
やりたい仕事って、ただワクワクすることだけじゃなくて、自然と続けられること、あまり苦にならないことの中にも眠っていることがあるんです。
私は学生の頃から日記を書くのが好きでした。でも当時は、それが特別なことだなんて思ってもいなくて、「自分には得意なことなんて何もない」と感じていました。
けれど、お仕事の中で少しずつ気づいていったんです。“書くことが好き”って、誰にでもできることじゃないのかもしれないって。
普通だと思っていたことが、いつのまにか自分の仕事になっていました。
ChatGPTと話して、自分の気持ちを整理する


最近よく使っている方法が、ChatGPTとの対話です。
自分一人ではまとまらなかった考えも、AIに向かって話すだけで、意外と整理されていきます。
たとえば、こんなふうに正直に話しかけてみます。
「やりたい仕事がわからなくて悩んでいます」
すると、こんなふうに返ってきます。
それって、すごく自然なことだよ。
みんなが当たり前に“やりたいこと”を持っているわけじゃないし、わからないまま進んでいいときだってある。
むしろ「わからない」って立ち止まれること自体が、自分をちゃんと見つめようとしてる証拠。
焦らなくて大丈夫だよ。一緒にちょっとずつ探していこっか🌱


こんなふうに、名前をつけてカスタマイズすることで、より自分のペースで会話を進められるのもChatGPTのいいところ。
「○○の仕事は疲れたけど、△△はあまり苦じゃなかった」と素直に伝えてみるだけでも、少しずつ自分の輪郭が見えてくるような感覚になります。
こうした“言語化する作業”そのものが、自分を理解する第一歩なんです。
誰かに相談するのが苦手な人にも、ほんとうにおすすめの方法です。



ばかー!!って言葉をぶつけても離れていかない、良きパートナー♪
最初に選んだ仕事が、すべてじゃない


就職したばかりの頃は、「この仕事で一生やっていくのが普通」だと思っていました。
でも実際には、合わない職場で無理をして、体調を崩してしまったこともあります。
そのときに気づいたのは、「働き方は変えていいし、生き方も変えていい」ということでした。
だって、あなたがどんなに会社のために尽くしたとしても、
体調を崩して働けなくなったとき、
「ずっと給与を補償して、サポートしますよ!」って言ってくれる会社なんて、正直ほとんどないんです。
だからこそ、自分を守ってあげられるのは、自分しかいないんですよね。
「自分がいないと仕事が回らない」と思っていても、実際は、誰かがその分なんとかしていくのが社会です。
もし本当に「辞めたら回らない」なら、それは個人の責任ではなく、“回らない体制をつくっている会社”の問題なんですよね。
問題を提起しても、それを放置しているのは会社の選択です。
その責任まで、働く側が背負う必要はありません。
だからこそ、自分をすり減らしながら頑張り続けるよりも、
「何が自分に合わなかったのか」「どんな働き方なら無理せず続けられるのか」を見つめることのほうが、ずっと大切なんだと思います。
たとえ遠回りに見えても、転職や環境を変えることは決して逃げじゃありません。
今の自分に合う働き方を探し続けることこそ、自分を大切にする選択なのだと、私は実感しています。
そして、
「これは合わなかった」と気づいた経験そのものが、
「じゃあ自分はどうありたいのか?」を考えるきっかけにつながっていくんです。
お金の使い方から、自分の“欲”を見つける


もうひとつ、やりたい仕事を見つけるヒントになるのが、「お金の使い方を振り返ること」です。
たとえば、ちょっと高いランチに行ったときや、新しい本を買ったとき。なぜそれにお金を使ったのか、何を満たしたくて選んだのかを考えてみてください。
私の場合、人に喜んでもらえると嬉しいという思いが根底にありました。書くことで魅力を伝えたり、知られていない素敵なモノや場所を紹介したり。
そうすることで誰かが笑顔になるのが嬉しくて、それを原動力に仕事をしていたんです。



でも、それは他人軸のようにも感じていました。
じゃあ、もっと深く掘ってみると?
たどり着いたのは、「まだ知らない魅力を知るのが楽しい」という、自分自身の好奇心でした。
やりたい仕事って、「誰かのため」も素敵だけど、まずは自分の“欲”がどこにあるのかを知ることから始まるんだと、あらためて感じました。
やりたい仕事がわからないあなたへ。見つける旅の途中でも、焦らなくていい
やりたい仕事が見つからない。自分だけが立ち止まっているように思えて、不安になることもあるかもしれません。
でも、それは決して遠回りじゃないし、ちゃんと必要な時間です。
- 自分がどうありたいかに向き合うこと
- 嫌だったことをヒントにすること
- AIと話して思考を整理すること
- お金の使い方から“自分の欲”を見つけていくこと
どれも、小さなステップに見えて、あなた自身を知るための大切なプロセスです。
やりたい仕事は、ある日突然見つかるものではなく、少しずつ“自分の輪郭”をなぞっていく中で、だんだんと形になっていくものだと思います。
焦らなくて大丈夫。
今、あなたが感じているもやもやも、未来にちゃんとつながっていきます。
自分のペースで、心地よく、進んでいきましょう🌿
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